徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その27

第9章任務「橋梁破壊」210ターンクリア

 

 

 

飯→ウォード→山の幸サラダ(好物)

シロック→パンプキンサラダ(普通)

リース→アジのマリネ(普通)

エニード、フェイ→エビの香草焼き(好物)

レオン→ヤギの香草焼き(好物)

アデル、アーサー→ローストチキン(好物)

イストバル→子羊のテリーヌ(好物)

 

 

 

【備考】

任務前、フェイがクラスチェンジ→聖剣士へ。

9章任務後、リースクラスチェンジ。ハイロードに。

アグザル、セディ、イストバル、ファラミア、シェルパが

任務後に騎士団入団。

 

 

 

出撃要員:リース+ウォード・ラレンティア・セネ・イストバル・

アグザル・レオン・アデル・フェイ・エニード・アーサー・イゼルナ

 

 

 

【攻略メモ】

58ターン目にオズマ捕縛。

115ターン目にアグザル戦闘不能に。

116ターン目にキュアヒールでこれを回復。

合計28名の帝国兵を捕縛。

 

 

 

【オマケ・ミニ小説~9章任務】

 

いつからお姉様は、あのように変貌して

しまったのか…。

ラーズ帝国のハルス家の令嬢ソフィーは、

昔の優しかったルーヴェルの

ことを思い出して悲しみのため息をつくのだった。

以前のルーヴェルは、明るくて自信に満ち溢れていて

そして周囲の者を大切にする女性だった。

従姉妹同士、という間柄ではあってもルーヴェルとソフィーは

仲睦まじい本当の姉妹のように育ってきたのだ。

 

「あんたなんて、伯父様を騙した恥知らずのメイドの子よ!

私と血縁だなんてそんなの認めないわ!」

 

罵声と共に頬を叩かれる。

頬の痛みよりも、心の方が痛い。

一人、静かに俯いてソフィーは心の痛みに耐える。

 

 

 

ルーヴェルとソフィーが生まれたハルス家は、

代々戦争に使う弓の設計と開発を行っている名家であった。

今、もっとも注目されている弓、「パスカニオン」

が開発終了間近になっている。

しかし、この弓は「時折暴発して使用者に被害が出る」という噂が

まことしやかに帝国兵の間で噂となって広まっていた。

事実、実験兵達の中にはパスカニオンの試し打ちの最中に

弓が暴発して腕が吹っ飛んだり、怪我を負う者が少なくない。

弓の威力自体は通常の弓よりも飛躍的に高いのだが、

その攻撃力を重視した設計は弓に過度な負担を与えているの

かもしれない。

実験に次ぐ実験を重ねても、その欠点を

直す事は難しかった。

 

現在、そのパスカニオンの実用テスト

をルーヴェルの命令で行っているのが

ソフィーである。

今日は、レマゲン砦に配属されており

屈強な男の兵士達に混じって一人所在無げに

佇んでいる。

突然、がやがやと砦の外が騒がしくなってきた。

砦を守るグラープ将軍は、重い盾をガシャンと構え直すと

伝令兵の方へ目配せして状況を

報告するように促す。

 

「はっ、同盟軍のシノン騎士団が砦の門を打ち破った模様。

総員、戦闘体勢に付いてください。」

 

 

緊張した様子で、そう告げる伝令兵。

その声を聞くなり、ソフィーは砦の外へと駆け出していく。

 

 

「おい、ソフィー。何処へ行くんだ。」

 

グラープ将軍の声を後ろの方で聞きながら、

 

「私が敵を食い止めます。その間に将軍達は逃げてください。

命を無駄にせず…一兵でも多くこの要塞から脱出を。」

 

 

そう言い残すと、砦の外につないであった自分の馬に飛び乗り

門近くまで駆け寄っていく。

門の外からはひっきりなしに人の大声と

馬のいななきがしていた。

 

シノン騎士団。

その言葉には聞き覚えがあった。

以前助けた青年の所属する部隊で

あったように思う。

だが、今はそんな事は関係がなかった。

ソフィーの頭にあったことは、自分の命に変えても

砦にの残る帝国兵達の脱出を助ける事だった。

弓を馬上で構えて門越しに一撃浴びせる。

凄まじい音と共に矢が敵兵へと吸い込まれていく。

その矢は、確かに敵の鎧を貫きその命を

奪うはずだった。

 

「えっ…!?」

 

だが敵の初老の騎士は平然と立っている。

知らず知らずの内に手加減をしてしまった

のかもしれない。

もう一度弓に矢をつがえると、再び的を絞った。

 

 

「おい…!何故あんたが、こんなところに居るんだ。」

 

 

ふいに聞いたことがある声が耳を打つ。

思わずそちらを見ると、金髪の青年が

吃驚したようにこちらを見ていた。

 

「あ…貴方は…。」

 

矢をつがえていた腕を下ろすと

ソフィーはこの偶然に驚いていた。

戦場で見知った敵に出会うなど、稀な事である。

 

「こんな事はもう止めろ。

大人しく投降するんだ。」

 

イストバルは自分を助けてくれたソフィーに恩義

がある。

例え憎い帝国の兵だったとしても、命を救ってくれた恩には

報いたかったのだ。

いや、憎い…というのは違うかもしれない。

不思議とイストバルにとって、ソフィーは憎しみをぶつける

相手ではない。

むしろ、話をすればその説得に応じてくれるのではないか、と言う

期待もあった。

 

「私達は…一体何をしているのかしら。

お互いに相手の事が憎い訳でもないのにこうして矢を

向け合って…殺し合って…。もういいです。

私は…もう疲れました。

…もう戦いたくありません。」

 

(ごめんなさい…ルーヴェルお姉さま、グラープ将軍…。

そしてレマゲン砦の兵士達。

私は…。)

 

 

驚く程素直に弓を地面に放り投げると馬から降りてソフィーは

丸腰のままイストバルの方へ向き直る。

これからどのような酷い処遇が待っていようとも、

ソフィーは受け入れる覚悟でいた。

ソフィーもまた、ラーズ帝国で育つ内にヴェリア王国の民人は

悪魔のような非道な奴だという認識を植えつけられていた。

だが、ソフィーは心の内でそれは違うのだと思っていた。

目の前で敵兵を見れば彼や彼女らも自分と同じ人間なのだと…。

血を流し、傷を受ければ痛いと言うのも同じ。

だからこそ、あの時イストバルを助けたのだった。

 

 

 

イストバルに腕を引かれながらソフィーは

ずっとルーヴェルの事を考えていた。

お姉様は私が戻らない事を知って

どう思うだろうか。

…涙を流すのだろうか。

それとも…喜ぶのだろうか。

最後までソフィーは信じたかった。

ルーヴェルの本質は昔の彼女の姿…

心優しい自分を大切にしてくれたあの時のままの心で

変わらないで居てくれる事を。

 

 

 

(お姉様…心配しないでください。

私は生きて、生き延びて帝国へ戻ります…。)

 

 

 

生きる望みを捨てないその瞳は、強く輝きを放っていた。

 

 

 

 

~終~  NEXT ボルポス谷の悪魔