徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その37

12章任務「闇の司教」 23ターンクリア
 
 
【備考】
飯→アルヴィナ→海の幸サラダ(普通)
アーサー→ミネストローネ(普通)
イストバル→ヴィシソワーズ(普通)
ファラミア→貝柱のポワレ(普通)
ウォード→タラのポワレ(普通)
リース→ラケル風オムレツ(好物)
セネ・エニード・ラレンティア→野苺の盛り合わせ(好物)
 
出撃要員:
リース+ウォード・アルヴィナ・シルウィス・セネ・
エニード・イゼルナ・ラレンティア・イストバル・アーサー・
アグザル・エルバート
 
 
【メモ】
1ターン目 バンダールの盾を破盾の矢で破壊
3ターン目 バンダール撃破
9ターン目 バリスタ兵隊長説得
11ターン目 ヴェスター救出
20ターン目 アルマキス撃破
23ターン目 制圧、マップクリア
 
 
【オマケミニ小説~12章任務】
 
アルヴィナは祈るような気持ちで
馬に乗って駆けていた。
目指すは、深い傷を負ったヴェスター公子の
居るサウスリーの街だ。
焦る気持ちとは裏腹にサウスリー
までの距離は遠い。
川を迂回して、バリスタ兵達の射程範囲に入る浅瀬を
抜けなければ行けないのだ。
 
「…ッ!」
 
ひゅうんと言う音と共に遠方から
バリスタの矢が飛んでくる。
盾を上に構えて、だが馬を走らせながら
何とかやり過ごそうとするも、
狙い澄まされたその矢はズシリと
鎧から露出した部分に突き刺さる。
馬がヒヒンと一声いななき、
バリスタの矢の衝撃に驚いているようだ。
しかし、アルヴィナは怪我を負いながらも
馬を走らせた。
懐にある、スカロー司祭からもらった
『癒しの聖水』を何としてもヴェスター公子に
届けるのだ、と強く心の中で
決めていた故に、険しい表情で。
 
 
その頃、サウスリーの街では
ヴェスター公子が村人達に
囲まれて、空を見上げていた。
空は折しも、曇り空。
暗雲立ち込める空は灰色の雲で
覆われていてまるでヴェスターに迫る追って達の脅威を
表すかのようだ。
 
「ヴェスター様、外に出られては危のう御座います…。」
 
と、村の長老である老人が杖をつきながら
ヴェスターを気遣ってやってくる。
 
「しかし、長老殿。アルマキスの追っては近くに迫っている上に
狙いは俺一人のみ…長老殿や村人達を
これ以上巻き込む訳には行かないのです。」
 
ヴェスターは、体の上から下まで包帯を幾重にも
巻かれた状態で村人の肩を借りて
やっと動けるかどうかの重体だ。
その顔は、気遣うように長老を見て
そして己を支えてくれている村人や
その周囲に居る村人達の方へと順に
視線を移ろわせていく。
そんなヴェスターの姿を見て長老は力強く返事をする。
 
「村人一同、勿論この私とてヴェスター様の為ならば
時間稼ぎとしてこの村に留まり追ってを迎え撃つ所存です。」
「…長老殿!貴方がたを殺させる訳には行かない…絶対に!」
 
と、その時一人の伝令役として村の外に赴いていた
村人が戻ってきた。
20歳ぐらいの若い男である。
肩を揺らして息をしながら、己の役目を果たそうと
長老とヴェスターの前まで歩いてくる。
 
「伝言です。
ノースリーの街は追っての攻撃で壊滅。
スカロー司祭も凶刃の下に倒れたようです
…ですが!
ノースリーの北東にシノンの旗を掲げたシノン騎士団と名乗る
軍隊がこちらへ向かっている模様!
おそらくヴェスター様を助けに来たものだと…!」
 
スカロー司祭の死を聞いて眉を落とす長老達だったが、
次に聞いた言葉には『おおっ!』と言うような
期待と喜びの歓声を漏らす。
 
「追ってもすぐ近くに迫って来ています…戦える男は
農具を持って、村を守るんだ。」
 
伝令のその声に、ヴェスターを囲んで守るようにしていた
村人の男達は手に手に農具を持って
村の周囲へと散っていく。
村全体に緊張が走った。
警戒、迎撃体勢である。
 
村の高い丘にある見張り台に登った村人の一人が
『おっ!?』と言うような声を上げた。
茶色の見事な体つきをした軍馬に乗った一人の
騎士の姿が見えたからである。
その騎士は一路サウスリーの街を目掛けて
一直線に走ってくる。
その行く手を遮るように、農具を手にした
村人の一人が『止まれ!』と言う風な声をあげた。
ヒヒィーンといななき、歩を緩めた馬の上から
甲冑を来た騎士が降りる。
頭にかぶった兜を脱ぎ去ると、息を切らせて
一言呟く。
 
「私はシノン騎士団のアルヴィナと申します。
ヴェスター様に…どうかこれを。」
 
そして村人に癒しの聖水を手渡すと
村人もそれを受け取り農具を下に下ろして
アルヴィナを、村へと案内する。
 
 
「…ヴェスター様、どうやら天は我らに
味方してくださったようですぞ。」
 
長老は、早速報告を聞いてぱっと顔を明るくしながら
ヴェスターに癒しの聖水を差し出す。
側には、傷だらけのヴェスターを気遣うようにそっと
寄り添うアルヴィナの姿もあった。
 
「おおっ!早速飲むとしよう。…うむっ、不思議だ。
体に力がみなぎって来たぞ。これで俺も戦える!」
 
聖水をぐっと一気飲みしたヴェスターは空になった瓶を
地面に置くと煩わしそうに体を覆っていた包帯を
取り去る。
不思議と傷は癒え、失っていた体力も大幅に回復した
らしきヴェスターに村人一同はどよめいて
喜びの声をあげる。
 
「ヴェスター様、お預かりしていた馬と武器です。」
 
長老が告げる言葉に振り向くと
村人に連れられた己の愛馬と愛用の剣がそこにあった。
 
「ヴェスター様…良かった。」
 
アルヴィナは、半分泣きそうになるのをぐっと堪えて
目を瞬かせながら元気なヴェスターの方を見た。
 
「ご武運を。」
「ああ、長老殿。それから村人衆も世話になった。
俺とアルヴィナはこれからリース公子の軍と合流して
アルマキスを倒す。
いいな?
アルヴィナ。俺に続け!」
 
早速、馬にまたがったヴェスターは力強くそう言うと
アルヴィナ達に、にやっと爽やかな笑顔を見せた。
 
「はい、…ヴェスター様。私は何処までもお供致します…!」
 
アルヴィナもまた長老達に深くお辞儀をして
感謝の意を表すと馬に乗り
ヴェスターを守るようにして
愛用の槍、フォラージュを手に駆けて行くのだった。
ヴェスターの父リードを陥れ、ヴェスター共々亡き者にしようと
企むアルマキス…その企みを阻止する為に、
彼らは戦う。
それから程なくしてヴェスターはリース公子と
再会することになる。
久しぶりに見た、リース公子の面構えは
以前の子供っぽさは無くなって精悍な
武人の顔つきになっていた。
 
 
~終~ NEXT 異教の神