徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その18

第6章依頼2 「食料調達」 87ターンクリア
 
 
 
出撃要員:セディ・アーサー・ルヴィ・ラレンティア・イゼルナ・
シルウィス・イストバル・ダウド
 
 
 
【備考】
家具・大きな絨毯 を購入。
 
 
 
【攻略メモ】
食料を持った盗賊を出来るだけ倒す。
15ターン目にマードック捕縛。
85ターン目にミュレゼン捕縛。
途中イストバルが戦闘不能になるが、
章終わりなので放っておく。
 
 
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~6章依頼その2】
 
 
メーヌの街まで派遣されたシノン騎士団は、
食料を持ち逃げしたアドリア山賊を見事
討伐し、食料を取り戻す事に成功した。
 
 
ウォードは早速ナルヴィアの川蝉亭の女将マリーベルに
報告に行き、食料を渡すのだった。
マリーベルの感謝の言葉と幾ばくかの謝礼を受け取ると
ウォードは軽くお辞儀をして、執務室へと
戻ろうとした。
 
 
すると、川蝉亭のドアがギィと開き、
見知った少年が入ってきた。
金色の髪を持ち、豪奢な鎧と青のマントで身を包んだ
少年、ウォードの上司であるリース公子である。
 
「公子様、どうかなされたのですか?」
 
とマリーベルは少し恐縮したような表情で
リースに尋ねる。
 
「いや、私はただ単に食事に来ただけだよ。」
 
時刻は昼下がり。時計は2時半を指していた。
食事には些か遅い時間だが、忙しいリースの日常は
こんなものだ。
 
「それでは、私は執務室に先に戻っていますゆえ…」
 
ウォードは、リースに敬礼すると入れ違いに
ドアを開けて歩き去っていった。
 
 
「食料が無事確保できたようだね。これでまたマリーベルの
美味しい食事が食べられるという訳だね。」
「全て公子様の采配のおかげです。」
 
そんな会話を交わしつつ
マリーベルと共に、ウォードの背中を見送る。
 
 
 
普段からリースは、部下を連れて何度も川蝉亭に
赴いている。
ここで食事をすると、戦場で通常よりも倍の力を
発揮できると評判なのだ。
その評判もそうなのだが、
味の方も格別でお袋の味と言うのだろうか。
素朴な中にも故郷を思わせるスパイスが
老若男女に人気の理由であった。
 
 
「今は本当は休憩時間なのですが、公子様が
いらっしゃったのですし、腕を奮って
調理しますよ。」
「悪いね、でも嬉しいよ。じゃあクリームシチューを
注文しようかな。」
 
クリームシチュー…リースの好物の一つである。
そして思い出の料理であった。
クリームシチューから連想するのは、故郷シノンでの思い出だ。
ナルヴィアに来る直前に、リースの大切な人が
クリームシチューを作ってくれたのだ。
 
 
(リネット…元気にしているかな。)
 
 
頻繁に手紙をくれる妹の顔を思い浮かべ、
クリームシチューを作ってくれた晩の事を
幸せそうな顔で思い出すリースだった。
 
 
 
「リース兄様、今夜は私がお料理を作ります!」
 
リースの父バーンストル公
とリース公子の前でその少女、リネットは
宣言した。
 
「えっ、リネットは料理ができるのかい?」
 
半分冗談混じりにそう答えればリネットは
少し頬を膨らませて
反論する。
 
「普段厨房に立つことは無くても知識はあります。
そしてリース兄様にも手伝って頂くのですよ。」
「えっ!」
 
リネットの言葉に一瞬驚くリース。
 
「だけど僕は料理なんて分からないよ。
芋の皮むきもできるかどうか怪しいし。」
「出来ない事は言ってくだされば私が手伝います。
厨房へ来てくださいますよね?リース兄様。」
 
半ば強引とも言えるような口調で言うリネットに手を
引かれて台所へと向かうリースだった。
普段は大人しく、あまり過度な自己主張を
しないリネットの性格を考えると
今夜の事は吃驚したが、
無理もない、とリースは思った。
明日はシノン騎士団を率いて遠く見知らぬ地へ
行かねばならないのだ。
一年、いや二年或いはもっと多くの歳月の間
リネットやシノンの人々と離れて過ごさねば
ならない。
 
台所でじゃが芋や人参相手に苦戦しながら
リースは、この思い出を深く心に止めておこうと
リネットと楽しく話しながら調理をしていくのだった。
 
 
 
「リース様、もう少しお待ちくださいね。」
 
マリーベルの言葉にハッとなってそちらを見ると
恰幅の良い女将の後ろ姿が見えて思い出から
現実に引き戻された。
手際よく野菜を剥き刻み、フライパンの中へそれを
豪快に入れ火を通す。そうしたら次は鳥肉も投入だ。
マリーベルは鼻歌を歌いながら一連の動作を
ソツなくこなしていった。
 
「ハハハ、すごく手際がよいね。」
 
リースは感心したようにそう言う。
お世辞ではなく、心からの賛辞だ。
 
「あたしは料理一筋ですからね。伊達に店を
構えている訳ではありませんとも!」
愉快そうに答えるマリーベルだった。
 
 
 
『リース様、うまかったです!
『リース様、美味しく頂きました。』
 
川蝉亭に連れてきた部下達の顔が
出された食事を見ると輝く
様子が脳裏に浮かぶ。
そして彼らの感謝の言葉もだ。
これからもまた嬉しそうな彼や彼女らの笑顔が見たくてこの店に
訪れるのだろう。
やがて、川蝉亭にクリームシチューの美味しそうな香りが
ふわりと漂ってくる。
それは束の間の安らぎを象徴する
ようなそんな香りだった。
 
 
 
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