徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その17

第6章依頼 「幽霊部隊」110ターンクリア
 
 
 
出撃要員:イストバル・セネ・イゼルナ・ラレンティア・エニード・
アーサー・ダウド・エルバート
 
 
【備考】
6章任務後に、セネがクラスチェンジ。
 
 
 
【攻略メモ】
このマップの中でエニードの精神を調整して、
2つ上げておく。(残り一つは精神の秘薬を使う。)
ウィリアムを90ターン目に戦闘不能状態にして残兵を
相手にする。110ターン目にウィリアムを
捕縛してマップクリア。
ウィリアム含む、帝国兵15名を捕縛。
 
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~6章依頼】
 
 
 
 
ヴェリア王国とラーズ帝国。
一つの大陸にほぼ時を同じくして誕生した
2つの国家は、その思想と宗教において
決定的な違いを持っていた。
ともにはるか昔に滅びさった
ラズベリア帝国を起源を持ち、
同じ民族でありながらも
2つの国家は互いに憎み合い
殺し合い相手の恒久なる滅亡を
願った。
 
 
 
憎しみは憎しみの連鎖を生む。
相容れぬ事なき両者は
聖戦の名の下にいつ終結するとも分からない
戦争を続けていた。
 
一方が優勢となることがあっても、
やがて一方が盛り返し、決着がつくことが無かった。
そして500年の歳月が流れた。
 
疲弊しきった人々はそれでも戦いを止めなかった。
混乱と殺戮と憎悪と破壊が全ての人の心を
蝕んでいた。
 
 
そんな世界の中にあって、歴史の必然は一人の少年を生み出した。
少年は英雄になりうる資質を持ち合わせていたが、
後世の人々が彼のことを何と呼んだか この時点で知る者は
誰も居ない。       
               ラズベリア年代記 第174章序文より抜粋
 
 
 
 
 
その日もナルヴィアのヴェリア神殿の奥に
ひっそりと佇む図書館は平和だった。
いつもの通り、いつもの時間に一人の青年が、
図書館へやってくる。
連日のように、熱心に勉強にやってくる
その青年の名前はアルムート。
歴史家を目指している将来有望の若者である。
ぱらり、と本を丁寧にめくりながら
今日も歴史についての調べ物をしていた。
 
 
アルムートは思う。500年もの間、何故
自分達の国では戦争が続いているのか…
そして互いをこれ程までに憎しむ理由は何であろうか、と。
以前ここでシノン騎士団のリース公子の秘書官をしている女性に
アルムートは出会ったことがある。
紫の髪を持ち、洒落た衣装に身を包んだ彼女はアルムートの話を
熱心に聞いてくれた。
 
その女性、ティアンナとの話の中で
も出てきた現在の歴史についての違和感。
それは、まだ解ける事なく心の中で燻っている。
 
 
書物の一節によるとヴェリア王国とラーズ帝国は
元々は一つの国であったのだ。
そして出自を同じくする民もまた一つの民族と
して共存していたはずだった。
いつの頃より2つは分かたれ、道を違えてしまったのか。
 
アルムートが見る限り、ナルヴィアに
住む人々は、ラーズ帝国で教わったような
悪い人種では無い。
むしろ素朴で暖かで毎日を
一生懸命に生きている人ばかりだ。
人は助け合い、困難に立ち向かう。
それは何処の国でも同じなのだとアルムートは実感していた。
 
 
 
ふいにコトリ、とかすかな音がして
図書館の入口の扉が開く。
そちらの方を見ると、「ああ、やっぱり」と
言うような表情になって
アルムートは自然と笑顔を浮かべた。
ここ最近自分と同じく足繁く通ってくる少女の姿を確認すると
今日こそは声をかけよう、と心に
決めるアルムートだった。
 
「ええと…」
 
水色に近い青の髪を持つ少女は額に皺を寄せて
本棚に陳列してある本とにらめっこをしていた。
 
「どんな本を探しているんだい?」
 
アルムートは、穏やかな声でそう少女に話しかけた。
 
「あっ、今魔法の本について調べているんです。」
「魔法?見たところ君は騎士のようだが魔法に興味があるのかい?」
 
そう言われて少し黙ってしまう少女だったが、
思い切って目の前の背の高い青年に言ってみた。
 
「私…魔法騎士になりたいんです!
 
 
魔法騎士。
その名前の通り剣を扱い尚且つ魔法の扱いにも
長けるという成るのには難しい職である。
自分よりはるかに若い少女がそのような職を目指している
と言うことにアルムートは驚きを覚えた。
が、決して馬鹿にすることなく、むしろ尊敬するような
気持ちで理由を尋ねてみた。
 
 
少女の名前は、エニード。
今はシノン騎士団の元に見習い騎士として
所属している事。
剣の腕では役に立てないので魔法を習得して
少しでも軍の助けになりたいと思った事。
などを聞き出した。
 
「へぇ、それはすごいね。君ならやり遂げそうだよ。
そんな瞳をしている。」
 
 
エニードの決意の硬そうな瞳を覗き込んでアルムートはそう言った。
夢や志があるのは良いことだ。
その壁が高いものであればある程、それに
向かって努力ができるから。
アルムートは密かにこの少女エニードの
事を応援しようと思った。
何処か夢追いかける姿は自分の後ろ姿を見ているようで
自分も自分の夢に向かって頑張ろう、と改めて決意をする。
 
「自己紹介がまだだったね。僕の名前はアルムートだ。よろしく。」
 
にこやかな笑顔を浮かべ、エニードに右手を差し出した。
 
 
 
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