徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その16

6章任務  「前線の街」 23ターンクリア
 
 
 
出撃要員:リース+ウォード・セネ・イゼルナ・フェイ・ダウド・アーサー・
イストバル・レオン・アデル
 
 
 
【飯】
アーサー・アデルにホタテのムニエル。
イゼルナに茸のパピヨット。
セネにホットペッパー。
フェイにブイヤベース。
 
 
 
【備考】
名画復活購入。
 
 
 
【攻略メモ】
この章からエニードが加わるので、住民を説得して回る。
24ターン内の総員離脱が目的。
迫り来る帝国兵の包囲網を潜り抜けて離脱せよ。
15ターン目ミーナス捕縛。
17ターン目にセオドルを囲んで撃破。
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~6章任務】
 
 
 
「リース様、大変です。イストバルの姿が見えませんぞ。」
 
 
ウォードは自分の上官であるリース公子に状況を報告した。
レプロン市からの撤退を全て終えたかに思えた
シノン騎士団だったが、約一名傭兵として雇ったイストバルという
青年の姿がなかったのだ。
リースは少し考え込むと答えた。
 
「傭兵といえど一人も欠けさせる訳には行かない。
すまないがウォード。
イストバルを探し出して欲しい。」
「お任せあれ。リース様は先にシノン騎士団の
合流地点へと向かっていてください。」
 
ウォードは乗っていたシノン馬の手綱を操ると、くるりと方向転換して来た
道を戻っていった。
 
(周囲には帝国兵の追ってが居る可能性もある。早く探し出さないとな…)
 
 
 
 
その頃、イストバルはレプロン郊外の深い森の中で
道に迷っていた。
森の木々は憎らしいほど同じように見えて
焦れば、焦るほど「合流地点」へ抜ける道が
分からない。
 
(参った、な…)
 
一人はぐれて、途方にくれてその場に突っ立っている訳にも
行かず、イストバルはとりあえず前へと足を進めようとした。
 
(…!?)
 
森の影からちらり、ちらりと見えるかすかな色彩に気がつき
ふと足を止める。
状況から判断するに、帝国の追討兵に違いなかった。
慌てて弓矢を構えてそちらの方向へ向き直る。
だが、その人影は素早くこちらの死角に回り込んできた。
 
 
「…弓を捨てなさい。投降すれば命だけは助けます!」
 
 
そう告げる声はあきらかに少女の物だった。
イストバルは弓を捨てず諦めていない表情で
そちらに向き直る。
 
「木の隙間から見えたときはまさかと思ったが女だったとはな。」
 
 
減らず口を叩くだけの余裕はまだある。
薄い金色の髪を豊かに後ろに流した少女は、
的確な弓の扱いをしており
ピタリ、とイストバルの喉元に狙いを定めている。
 
 
(こんな女まで帝国の手先なのかよ…)
 
 
イストバルは内心軽口を叩いていたが
その額には汗が流れていた。
傭兵稼業をするようになってから、少なからず
ピンチには遭っていたが
今、こうして11で敵と向き直ると
正に「戦場での命の駆け引き」という言葉が頭をよぎる。
 
 
 
「俺は投降する気は無いぜ。撃つなら撃てよ。」
 
 
半ばやけくそになって、相手を挑発してみる。
弓は手に持ったままで。
 
「あくまで抵抗を止めない…という訳ね?」
 
少女の顔にかすかな動揺が走ったがイストバルが
弓矢を構えてこちらへ狙いを定めるのを見ると
慌てて矢を放った。
すうーっ、と吸い込まれるようにその矢は、
イストバルの肩近くに刺さり…鮮血が噴出した。
 
 
 
「ううっ、ごめんよ。アリーナ…。」
 
イストバルは、薄れ行く意識の中で
大切な者の名前を呼びその場に倒れてしまう。
後には静寂だけが残された。
かつかつ、と僅かに靴の音を響かせて
少女はイストバルの元へと近づく。
相手が完全に気を失っているのを
見て、最後に青年が呟いた言葉を思い出してみる。
 
「そう…、貴方には大事な人がいるのね。」
 
暫し考え込むと少女は、弓を後ろに仕舞い、
少女はイストバルの傷口を覗き込んだ。
 
 
 
 
 
イストバルは、それから後森の中で
倒れているのをウォードに発見され
ナルヴィアの修道院へと運び込まれた。
 
「お兄ちゃん!」
 
枕元では妹のアリーナが
イストバルの名前を必死で呼び、ぎゅっと
その手を握っている。
 
「…ん?」
 
朝、目覚めたかのようにすっきりと、という気分では無いが
割合と自然に目が覚めるイストバル。
 
「アリーナ…?俺は生きていたのか。」
 
ふと肩に激痛が走りそこへ目を向けると痛む箇所には丁寧に
包帯が巻かれていた。
おそらく修道院のシスターが巻いてくれたものだろうか。
アリーナは、イストバルが意識を取り戻したことに気がつき
半分嬉し泣きしながら、シスタールチアナを呼ぶ。
ルチアナは、早速2人のところへと駆け寄ると
状況を説明した。
 
「…で、イストバルさんが
発見された時、肩に矢傷を負っていて…このハンカチが
傷口に結ばれていたのです。
そして簡単な応急処置もしてありました。
矢は急所を外れていました。
応急処置が早めの物でしたので
傷は比較的早く治るでしょう。」
 
 
そう言って差し出されたのは、レースの縁取りがついた
女物の一枚のハンカチだった。
それを傷を受けていない方の手で
受け取るとイストバルは微妙な顔をした。
 
 
(あの時の女弓兵の物か…)
 
 
ハンカチは僅かだが知らない花の香りがした。
 
 
 
(俺たちは…幼い頃からラーズ帝国の奴らは
血も涙も無い悪魔のような奴だと教え込まれてきた。
捕まったら男は惨殺され、女は奴隷として慰みものに…
それに子どもや老人は火あぶりになると聞く。
だけど、あの時戦場で見た女はなんだ?
イメージと違う…おまけに俺の命を助けてくれた。
一体何なんだ…?)
 
 
 
 
考えれば考えるほど、分からなくなってきた。
自分を助けたのは何故なのだろう、と。
それが同盟軍の傭兵イストバルと帝国の兵ソフィーとの出会いだった。
運命の悪戯はこの後、2人の若者を何度か出会わせることになるが
それはまた別の話。
 
 
 
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