徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その15

第5章依頼 「山狩り」 118ターンクリア
 
 
 
出撃要員:アデル・レオン・ルヴィ・アーサー・ラレンティア・セディ・
イゼルナ・シロック
 
 
 
 
 
【攻略メモ】
離脱ポイントを2箇所とも防いだら、後はじっくりマップ内の
敵をいたぶる事ができる。
(離脱ポイントを防ぐと、何故か離脱モードになる敵兵全員。
カモである。)
30ターン目にフェルズ捕縛。
帝国兵計5名捕縛。
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~第5章依頼その2】
 
 
サフィアは今日もナルヴィアの
修道院で忙しく働いていた。
彼女にとっては、先の作戦での
負傷者の手当てをするという体験は
とても貴重なものだった。
シノン騎士団から出た負傷者の体に
巻かれた包帯を代えてやりながら
 
「大丈夫ですか?」「傷は痛みませんか?」
 
と微笑みながら問いかける。
負傷者にとっては彼女が天使にも見えただろう。
生来の慈愛のような物を身にまとい、
サフィアは甲斐甲斐しく立ち回る。
 
そんな修道院での毎日の暮らしの中でサフィアはささやかだが
とても楽しみにしている事があった。
リース公子の訪問である。
 
「私、頑張りますから雇ってください…!」
 
毎回サフィアは熱意を持って従軍シスターとして雇ってもらえるように
リースに語りかけるのだが、一向に雇ってくれる気配は無い。
自分のシスターとしての腕がまだ未熟である事は分かっていた。
だが一度くらいは雇ってくれてもいいのではないか、と
拗ねたこともある。
 
そんなサフィアを見て、リースは困ったような表情で
語るのだった。
 
「戦場は遊びではないんだ。今は厳しい戦況が続いている。
君を危険な目に遭わせたくはない。」
 
 
 
そんなリースの表情や口調を思い出し、自然と頬がほころぶのを
止められない。
ふと包帯を巻く手が止まる。
サフィアの視線の先には、一人の青い髪をしたシスターが居た。
 
「シスターイゼルナ…?」
 
 
柔らかな微笑みを湛えたイゼルナはサフィアの元へやってくる。
 
「はい、サフィア様…お久しぶりです。」
 
イゼルナは義母であるクエスクリアからサフィアの身分について
知らされていた。
だから尊い者に接するように、とても礼儀正しく一礼する。
 
「サフィアでいいです。イゼルナ、話は聞いています。
最近プリーストの称号をもらったそうですね。
素晴らしい事です。おめでとう。」
「ありがとうございます。これからもヴェリア様の教えに従い
より一層精進していきます。」
「そうそう、今回の任務にはイゼルナも同行するのですよね?
リース様は出向かれないらしいけど…どんな任務なの?」
 
サフィアは首を傾げて、だが好奇心で輝く瞳の色を隠さずに
聞く。
 
「今回は…。」
 
とイゼルナは言いよどむと少し顔を曇らせる。
 
「今回は脱走兵の捕縛がシノン騎士団に依頼されています。
帝国の捕虜の方が護送途中に逃げたとかで…。」
「へぇ…、帝国の捕虜…。」
 
 
漠然と捕虜という単語から依頼の内容を
思い浮かべてみるもさっぱり
想像できない。
逃げた捕虜というと、必死の抵抗をするのだろうか。
 
 
そんな事を考えていると、
シスターマリアが、外から帰ってきた。
手にはたくさんの薬草の束を抱えており、
おそらくそれは、負傷者の手当てに使われるのだろう。
 
「ただいま戻りました。
サフィア…様、薬草を煎じるのを手伝っていただけますか?」
 
マリアは、やや口調にとまどいを滲ませながらも
薬草の束を台の上に置く。
 
「ええ、薬草なら任せて。色んな本を読んで知識があるから!」
 
 
そうこうしている内に、やがて夕餉の時間となりサフィアは一旦
部屋に戻る事になった。
ナルヴィアでサフィアに割り当てられた部屋にである。
 
 
「ただいま。パラミティース。」
 
豪奢な造りの調度品に囲まれた、赤を貴重とした部屋に
戻ると、そこには修道女風の黒いローブを羽織った人物が
深く一礼して待っていた。
豊かな黒髪を綺麗な装飾品で止めたその女性は
名前をパラミティースと言い、サフィアの身の回りの
世話をしてくれる存在だった。
今は修道女の格好をしているがその実は
古来からの剣技を誇る凄腕のシャインナイトなのだ。
 
「ねぇ。今日はイゼルナから色々話を聞いたのよ。
帝国の捕虜を捕まえにいくんだって。」
 
生き生きとした口調で語りかけるサフィアだったが
一方のパラミティースは渋い表情だ。
 
「帝国の捕虜などと…関わってはなりません。
今回サフィア様をお雇いにならなかったリース公子の
配慮に感謝せねば…。」
「もうっ、何を固い事を言っているの。
私、是非シノン騎士団に付き従って行軍したかったなあ。」
 
サフィアは世間を知らなさすぎた。
だからこそのこの言葉である。
パラミティースは、軽くため息をつく。
だがそんなパラミティースの様子を気にすることなく
サフィアは無邪気に言葉を続けるのだった。
 
「今日の夕食は何かしら?一緒に食べましょうね。パラミティース。」
 
 
 
やがて眠る時間になって、サフィアは日々の日課である
ヴェリア女神への祈りの文句と唱える。
 
「日々、健やかである事を貴女様に感謝し…」
 
目を閉じ、言い慣れた言葉を淀みなく紡ぐ。
 
「今この時もこれからも…ヴェリア様に忠実なる事を誓います。」
 
そしてランプの灯りを頼りに、引き出しの中から日記帳を取り出すと
簡潔に今日あったことを記す。
 
 
(今日は、イゼルナが修道院を訪問してくれた。
彼女の職位はプリースト…周囲から認められた存在。
すごいなって思う。
私ももっと周囲から「本当の私」を認められたい。
そしていつかリース様にも…。
「巫女」という立場にあっても、今はまだまだ実力不足。
 
もっと頑張らないとね。)
 
 
走らせていた羽ペンをコトリと置くと、
日記を書き終え再び日記帳を机の中に戻す。
するりとベッドの中に潜り込みランプを消し
毛布をかぶった。
目を閉じるとすぐに健やかな眠気が訪れる。
 
 
 
(おやすみなさい…)
 
 
 
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