徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その8

第3章依頼 「王女と傭兵」 25ターンクリア
 
 
 
出撃要員:アデル・レオン・フェイ・アーサー・シルウィス・
イゼルナ・アイギナ・シェルパ
 
 
 
【攻略メモ】
暗闇索敵マップ、特に強い敵は居ないので
適当に進めても問題無い。
25ターン目にボスのレナックスを捕縛して
砦を制圧。マップクリア。
 
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~3章依頼】
 
 
 
今から数ヶ月程前、レーゼンベルクの街の
傭兵斡旋所兼酒場にて。
 
一人の年端も行かない少女が慎重に辺りを見回していた。
この斡旋所には不釣り合いな程、豪奢で可愛らしい容姿だ。
薄い紫の巻き毛をくるくると巻いて顔の両頬に垂らしてる。
 
 
「よぉ、お嬢ちゃん。ここにはなんの用事で来たんだい?」
「へへっ、よかったら酌をしてくれよ。」
 
 
酔っ払いに絡まれながらも、必死で斡旋所の掲示板に目を通す。
様々な情報が書かれている中、
旅の護衛人請負という文字の前で目を止めた。
シェルパ、という名前が目に入る。
 
 
「このシェルパさん、という方はいらっしゃいますか?」
 
 
斡旋所を経営するマスターらしき人にそう問いかける。
 
 
「そいつなら今、2階で今待機しているはずだ。すぐにお呼びしましょう。」
 
 
そして呼び出されて降りてきたのは、青い髪の隻眼の大男だった。
背中には身長程もある大きな剣を背負っている。
大男は、見上げる程の身長だったが、不思議と優しい
雰囲気を醸し出しており
初対面でも怖くなかった。
一目見て少女ロゼリーは、この人物は信頼に値する人物かという事を
見極めた。
その点では己の勘を信じる、と言うのがロゼリーの生き方である。
 
 
「貴方を、雇用します…詳しい話は別の場所で…。
どうぞ付いてきてください。」
 
 
 
ロゼリーは、少し後ろを振り返りシェルパという男が
付いてきているのを確かめると
街の中に出た。
目指すは斡旋所から比較的近い場所にある宿屋だ。
 
宿屋に入ると真っ直ぐに自室を目指す。
そこにはロゼリーの仕えるお方が待っているのだ。
 
「姫様、入ります…ロゼリーです。」
 
 
コンコンという軽いノックをして
応答を待つと、中からロゼリーより少し上くらいの少女の声が
した。
 
 
「入って。待っていたのよ。」
「失礼します…傭兵の方を連れてまいりました。」
 
 
中に居たのは赤く長い髪を持つ魔道士風の身なりをした少女。
常人より気品があるのは、気のせいだろうか。
宿の安普請の椅子に座っていても尚威厳があるその姿は
凛として輝いて見えた。
 
 
「こちらはシェルパ様…とおっしゃいます。
今回護衛の任をお任せしようと思っています。」
「シェルパだ。女2人が旅とは、何か余程の訳があるようだな。
先ほど姫様、と言っていたようだが?」
 
 
シェルパと呼ばれた隻眼の傭兵は、素直に疑問をぶつける。
その質問に答えてロゼリーはポツポツと自分の主の身の上を
語り始めた。
 
 
実は目の前の主、アイギナは滅亡したリアナ王国の王女である事。
今は、国を追われて逃亡中の身の上である事。
同盟軍の国に身を寄せたいと思っている事。
 
等を手短に話す。
 
ふん…と軽く頷きながらシェルパは話を聞き終えると
 
 
「いいだろう。俺が護衛してやろう。ただし俺は高いぞ。」
「お金に関しては問題ありません…必要なのは雇い主である私への忠義の心です。」
 
アイギナは素っ気なくそう言う。
長い旅の疲れで気持ちがイライラしているのか、
はたまた元からそういう性格なのか。
口調は、素っ気ないもののその態度はどこか安堵した風でもあった。
 
ロゼリーは、懐から宝石の入った袋を取り出すと
シェルパに見せた。
 
 
「あの…これで足りますか?」
「これは宝石商で金に替える必要があるな。ああ、これだけあれば
文句無しだ。しかしお嬢ちゃん…ロゼリーと言ったか。
若いのにしっかりしているな。」
 
 
シェルパが感心した様にロゼリーに言葉をかける。
ロゼリーは「当然です。」と褒められた事にまんざらでも無い様子で
言葉を返す。
 
アイギナはそんな2人を眺めながら
今は離れた故郷の事を思い出していた。
こうして3人の旅が始まった。
 
 
 
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