徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その7

第三章 司祭三人 60ターンクリア
 
 
 
出撃要員:リース+ウォード・クレイマー・フェイ・セネ・レオン・エルバート・
ウォロー・イゼルナ・アーサー・アグザル・クリス
 
 
 
【備考・飯】
ウォロー・クレイマー・アデル・アグザルにそれぞれ好物のホットクラブを。
フェイ・レオンに好物の白身魚のハーブ風味。
アーサー・ウォードにポークソテー。
 
 
 
【備考・馬】
リースとウォードにシノン馬
クリスにやせた馬
エルバートに普通の馬
 
 
 
【メモ】
司祭三人がバラバラに歩いて3つのルートを
歩いていくので護衛する。
ターン制限は無し。
どんなマップか完全に忘れていて
2回ほど章の最初からやり直すという
ハプニングもあったが、全ての司祭のイベントを起こし、
アグバンを17ターン目に撃破。
19ターン目にサハリンが神殿到達。
20ターン目にグリムとオーベルが神殿到達。
21ターン目にウォローの死闘をぶつけてガロス撃破。
後はまったりと西から出てくる増援を倒しつつ
アグザルとセネでお宝探し。
西の教会に一人陣取ったレオンだったが
盗賊達の数の暴力に遭い、手持ちのポーションと盾を使い果たして
東へと逃げる。
60ターン目にリースで神殿到達、マップクリア。
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~3章任務】
 
 
 
 
 
ナルヴィアにあるヴェリアの聖堂でオルウェンが働きはじめて
早一ヶ月になる。
穏やかな暮らしに慣れ日々の祈りや仕事をソツなく
こなすオルウェンだったが、
ふとここで働き始めたきっかけを思い出す。
それは約一か月前の事だった。
 
 
 
 
「教皇のかけた術は…ヴェリアの魔女にしか解く方法がない…のか。」
「しっ、オルウェン様、誰かここに来ます。」
 
 
辺境の教会にて2人の男の声がしたかと思うと
それは突然ピタリと止んだ。
教会の表門が開き、人の気配がしたからである。
 
 
「疲れたのう…誰かおらぬか?」
 
 
一人の司祭風の身なりをして豊かに白髪の髭を蓄えた
好々爺という風情の人物が杖をついて歩いてきた。
教会の奥はシンと静まり返り誰の出迎えも無い…かに思えた。
 
 
「これは、高司祭様。お久しぶりでございます。」
 
明るい調子でそう紡がれるのは一人の若い男の声だ。
教会の奥から薄い緑色の髪色をした男、声の持ち主が
まるで歓迎するかのように顔を輝かせて
出てきたのだ。
 
 
「はて、誰じゃったかの。思い出せんわい。」
「私は高司祭様の弟子だった、オルウェンと申します。
長らく辺境の巡礼に出ておりまして。
こうして、この地で再会できたのも何かのご縁…
司祭様にあられましては大変ご健勝のようで…喜ばしい限りです。」
 
 
ペラペラと淀みなく、そして疑問を持つ暇も与えず
オルウェンは華麗に嘘を付く。
グリム高司祭の弟子だったというのは真っ赤な嘘だ。
正体を明かすとオルウェンは元ラーズ帝国の司祭だった。
故あって、この地まで逃げてきたのだが…
 
 
「つきましてはナルヴィアに戻った際に良い勤め口があるよう、
高司祭様から話を付けて頂きたく…お願いしたいのです。」
「ワシの弟子なのだからそれ相応の地位にはつけるじゃろうな。
 
よし。上手く計らってやろう。」
「ははっ、ありがたき幸せ。」
 
 
 
薄い緑色の髪、白いローブを羽織った
オルウェンは心の中で快哉を叫んでいた。
こう上手く事が運べるのなら自分の話術や演技力もまんざらではない、
と得意にさえ思える。
グリム高司祭は暫しの休息を経て再び神殿への道を目指していった。
残されたオルウェンともう一人の従者風の男は、
暫くの間話し合いをしていたが、
周囲に盗賊達の気配がなくなるのを確認すると
そそくさと教会から旅立ったのであった。
 
 
 
「オルウェン様?どうしたのですか。ぼーっとして。」
 
オルウェンが回想にふけっている間に
同僚が2人、こちらへやって来たようだ。
彼女達の名前はユーミルとサーラ。
特にサーラの方は新米のオルウェンによく懐き、
いつもくったくなく話しかけてくれる。
 
「見とれていました。貴女達の美しさに…。」
「まあ、オルウェン様は面白いですね。」
 
 
クスクスと笑う人懐っこい笑顔のサーラを見て
オルウェンもまた微笑み返しながら
暫くこの時間が続くのも良い、と思った。
 
 
 
だが、異変は直ぐに起こった。
 
 
「ぐっ…がっ…!?」
 
 
突然オルウェンが頭を抑えて獣のような
低い唸り声を発したのだ。
 
「オルウェン…様?」
「どうなさったのです。」
 
 
ユーミルとサーラはすぐに異変に気がつき心配そうに
オルウェンの方を見やる。
 
 
「いえ…少し頭痛がしまして…」
 
(やばいな、このような時に…ぐっ…。)
 
心の中に猛烈に闇が差し込むような感覚に襲われ
理性という名前のストッパーが外れそうになる。
これこそがオルウェンにかけられた忌まわしき術の片鱗…
身も心も残忍なラーズ司祭への変貌への兆しが訪れる。
オルウェンは脂汗を流して耐えた。
じっと術の暴風が過ぎ去るのを待つ。
暫く待つ。
 
 
「あの…このハンカチで汗を。」
 
差し出されるサーラのハンカチ。
しかし自分でも吃驚するくらい怖い声が出た。
 
 
「私に…触るなッ!」
 
 
ビクリとユーミルとサーラの肩が跳ね上がると、
普段柔和なオルウェンの突然の変化にとまどって
いるかのような顔を見せる。
 
 
「だ、大丈夫です。もう収まりました…」
 
 
慌ててその場を取り繕うと、必死の力で笑顔を作り
さっとその場を離れる。
後に残されたサーラとユーミルも顔を見合わせた後に
職務へと戻るのだった。
 
 
 
(何時までこのような茶番が続くのだろう…ヴェリアの魔女…
早く見つけねば。)
 
 
 
心の中でオルウェンは願う。
一刻も早くこの術を解いてもらい、
祖国へ大手を降って帰れる日が来ることを。
 
 
 
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