徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その9

第3章依頼 「仔馬と盗賊」 34ターンクリア
 
 
 
出撃要員:アーサー・セネ・イストバル・ルヴィ・シルウィス
 
 
 
【攻略メモ】
馬を捕まえに行くマップ。
ついでに山賊達もボコボコに。
とりあえずアーサーで上の離脱ポイントを、イストバルで下の
離脱ポイントを塞いでおけば問題無い。
厄介なのがシャモスの持つエストック。
アーサーに1ダメージのみ攻撃が
通り、ちくちくと攻撃してくる。
カーリーアクス持ちの山賊の一撃も怖い。
このマップでアーサーはポーション3個を使いきり、
ルヴィとシルウィスもポーションをそれぞれ1個飲みました。
28ターン目にシャモス捕縛。
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~第三章依頼その2】
 
 
 
人気が無く、閑散とした山賊達のアジトに一人の少女が
するりと入り込む。
シノン騎士団の一員として活躍目ざましい盗賊のセネだ。
 
「さーて何かいいもの、残っているかな?」
 
辺りをきょろきょろと楽しそうに見やれば
アジトの中心である小屋の鍵を開けて中に入る。
中に在ったものは…と言うと。
 
 
「えっ…?」
 
セネは自分の目を疑った。
目の前には、ボロボロに傷ついた白い仔馬が一頭居た。
体には殴りつけられたようなアザと、ナイフのようなもので
切り刻まれたような裂傷がある。
 
 
「ひ、ひどい…。」
 
セネは思わずかけよって、仔馬の傷の深さを確かめようとした。
その刹那。
 
「ヒヒィーーーン!」
 
仔馬は驚いたように一つ悲しげにいななくと、
セネの手に向かってがぶりと噛み付こうとした。
慌ててピョンと後方に飛び退って難を逃れるセネだったが…
仔馬は今度は後ろ足で蹴りにかかってきた。
 
「暴れないで、お願い。傷が開いちゃう。」
 
その言葉は、怯え傷ついた白い仔馬の耳には届かない。
また傷つけられると思っているのかセネが近づこうとすると
精一杯の抵抗をする仔馬。
セネは一度蹴られてこっぴどく扉に背中をぶつけたが、
仔馬を保護しようと、一生懸命語りかけながら
手を出そうとする。
 
やがて……
 
仔馬は疲れてしまったのか、暴れるのを少し止めてくれた。
その隙を狙って馬に手綱をつける。
そこへ部屋に、シルウィスが入ってきた。
 
 
「あら、セネ。その仔馬はどうしたの?」
「あ、シルウィス…この子をナルヴィアに連れて返って
手当てしたいのだけど大丈夫かな?」
 
 
シルウィスは、セネが連れている仔馬を見て
顔をしかめる。
それ程までに酷い傷。
そして怯えて疲れきった仔馬の哀れな様子。
セネは、心配そうに仔馬の方を見ながら
そわそわと落ち着きが無い。
 
 
「セネ…貴女。」
「えっ?」
「…泣いているわよ?」
 
 
気がつけば自然に涙がこぼれ落ちていた。
 
 
 
 
数日後、ナルヴィアに戻ったセネは
軍馬取引所を経営する知り合いのカルマールの
家へと顔を出していた。
 
 
「ねね、カルマールおじさん!仔馬の調子はどう?」
「ああ、足はやってないから後は傷の回復を待つだけだな。」
 
 
気さくな表情を見せる初老の馬商人カルマールは
セネにそう言うと家の外にある馬小屋へと案内する。
 
そこではカルマールの息子エノクが
熱心に馬達の世話をしていた。
 
 
「じゃあ、私は用事があるからエノクに詳しい話は聞いておくれ。」
 
カルマールはそう言うと、さっと家を後にした。
残されたエノクとセネは、
仔馬を囲んで話をしている。
 
 
「…セネ、お前はタニア族だったんだな。」
「…えっ?その話はどこで?」
 
 
唐突に、聞かれる言葉にセネは懐かしさ半分、後ろめたさ半分で
返事を返した。
その通り、セネは遊牧の民、タニア族の出身だ。
15歳の誕生日の時に家を飛び出してきた。
ある事がきっかけとなって。
 
 
「通りで馬の扱いに慣れているはずだ。
ちなみに親父からこの話を聞いたんだ。」
「そうだったの。」
 
仔馬の調子を見ながらセネはぽつりと話し始めた。
 
「この仔、似てるんだ。あたしが昔世話していた馬に。」
「ん?」
「タニア族はね。子供が10歳になると一頭の馬を与えて世話をさせるの。
あたしが世話していたのはティコっていう馬でね。
この毛並みも、色も、流星も…ティコが生まれ変わって
戻ってきたのかと思っちゃった。」
「その馬、ティコは死んだのか…?」
 
 
聴き辛そうにエノクがそう言うとセネはこくんと頷いて
言葉を紡いだ。
 
「あたしが友達と遊んでいる間に、はぐれて狼に追い詰められて
崖から落ちたの。
あの仔にはあたししか面倒見てくれる人がいなかったのに…
酷い事しちゃった。今でも時々夢に見るよ。」
「そうだったのか…変なこと聞いてごめんな。」
「大丈夫。今はこの仔馬が居るから。また見に来てもいい?」
「ああ、勿論だ。いつでも仔馬に会いに来てやってくれ。」
 
たん、と軽く足を踏みしめるとセネはエノクと仔馬を背にして
勢いよく駆けていった。
セネが助けた仔馬が「ティコ」と名付けられセネの愛馬となって
戦場を走るのはもう少し後の話だ。
 
 
 
~終~ NEXT 撤退援護