徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その10

第4章 撤退援護 24ターンクリア
 
 
 
出撃要員:リース+ウォード・フェイ・イゼルナ・
シルウィス・セネ・ルヴィ・アーサー
ウォロー・オルウェン・ダウド
 
 
 
【備考→飯】
クリームシチュー解禁!
お勧めメニューではなかったが。
 
リース・フェイ・セネ・
イゼルナ・ルヴィ・シルウィスにクリームシチュー(全て好物)
アーサーに若鶏のクリーム煮
ウォローにマトンのクスクス
 
 
 
【備考→家具】
家具名画「希望」購入。
 
 
 
【攻略メモ】
12ターン目、ピサロ撃破。
4週目にして敵将ラウロス初撃破!ウォロー先生はいい仕事を
してくれますなあ。
 
 
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~4章任務】
 
 
ギラギラと天から降り注ぐ熱い日差し。
炎天下の中、ぼろぼろの鎧を隙間なく体に着込み、
戦斧を構えた男が油断なく辺りを見回しながら
ゴラン高原を歩いていた。
途中何度も後ろを振り返りながら、ひょろりと立つ
小さな潅木の近くで一息つく。
腰に下げていた皮の水筒袋を手に持って水を飲もうとするが
逆さまに振っても一滴も出ない。
 
 
「まだだ。ここで立ち止まる訳には…。」
 
ぐらりと軽い立ちくらみを覚えながらも、その男ダウドは
一生懸命足を前に進める。
やがて、遠方に謎の集団が近づいてくるのを
確認すると壊れかかった
斧を手に持ち直し警戒の姿勢を取る。
 
 
謎の集団の半数は馬に乗っていた。
集団から一騎だけ、人が離れるとその者はダウドの元へ
まっすぐにやってくる。
旗は同盟軍のものだ。
 
「味方か…ありがたい。」
「そこの者、ワシはシノン騎士団のウォードと言う。
ミューヘン城から落ち延びてきた貴公らを救援に来た。」
「俺はアラゴンのダウド。俺の部隊が殿(しんがり)軍だ。
後続に続く者はまだ、居る。
助けてやってくれ。
後は何か武器を。」
 
ウォードに向かって、壊れかけた斧を振って見せると
ウォードは深く頷き「少し待て。」と
言葉を返す。
 
 
程なくして、先ほどの集団…シノン騎士団の
本隊がダウドの元へやってくると
補給物資として彼に新品の盾と斧が配られた。
 
「これで、まだ戦える。」
「お主、その体で無理はするな。後方に下がっておくといいだろう。」
「いや、今は一兵の兵力でも貴重なはず。
俺の部隊の兵を助けるためなら俺はこの命をかける。」
 
 
 
近くで時の声があがった。
集団の中心部に居るのは金髪の整った容姿を持つ、年若い少年だ。
剣を上に掲げて、部下達に号令をかけると
シノン騎士団は整然とした隊列を組み、
騎馬隊は北上、軽兵からなる小隊は西へと進んでいく。
北上する騎馬隊を追いかける形でダウドは力を振り絞って
追討してくる帝国兵と戦った。
 
 
斧がブンと勢いよく振られ、盾を持った
帝国兵の上に鋭い一撃を食らわせる。
それがもう何度か続いただろうか。
ただ、無我夢中で斧を振るった。
それは人を殺す為。自分達が殺されない為。
仲間を守る為だ。
やがて、帝国兵の気配が無くなると、
ふっとそこでダウドの意識は途切れた。
 
 
 
 
次に目覚めたのはナルヴィアの修道院だった。
優しげな風貌をしたシスターが額に乗せていた
タオルを冷たい物に取り替えて
くれる。
 
「気を失っていたのか…部下は。」
 
辺りを見回し厳しい顔でそう呟くと、すぐ隣のベッドに見知った少年が
寝かされているのに気がつく。
 
「…リドラン。大丈夫か。」
「ダウド…さん。」
 
 
ダウドの部下である少年は、重症を負って
包帯でぐるぐる巻きにされていた。
あちこちに血が滲むその包帯は傷の深さを容易に想像させる。
少年の他にも数名部下らしき者の姿を確認する。
皆疲れきって深い眠りに落ちているかのように見えた。
否、中には本当に二度と目覚めぬ眠りの中に
落ちた者も居るかもしれない。
 
 
ダウドは、ベッドから勢い良く立ち上がると、
その少年…リドランの顔を
覗き込む。
リドランの憔悴しきった顔はしかし笑顔を浮かべていた。
 
「もう大丈夫だ。シノンの公子と騎士団が助けてくれた。」
「はい…。」
 
 
そこへシスターである女性が、食事の入った
椀を持ち様子を見にやってくる。
ダウドは猛烈な空腹を感じ、シスターが持ってきてくれた
食べ物を奪うようにしてひったくると息をつく間も惜しんで
平らげた。
シスターは、椀に入ったスープをスプーンで
すくってリドランの口元へ運ぶ。
 
 
「食べたくないんです…。」
「食べないとよくなりませんよ。」
「はい…。」
 
 
そんなリドランの様子を見やりながら、
ダウドは疑問を感じていた。
 
 
(なぜこのような子供が…戦争にかりだされなければ
ならないんだ。なぜだ。)
 
 
自分の様な大人ならまだしも、1516歳と言った年のリドランのような
少年兵はミューヘンには大勢居た。
そしてそのほぼ半数以上は死んだ。
 
 
 
「今日は、俺が側でずっと居てやる。リドラン、早く良くなれよ。」
「ありがとう、ダウドさん…。」
「もう、お前のような子供が戦場に立つことは無い。
傷が癒えたら俺の故郷に連れて行ってやる。」
「本当ですか…?」
「ああ、俺は騎士を辞めるつもりだ。故郷で木こりにでもなるさ。」
「木こりですか…ダウドさんらしいや。」
 
 
 
2人は一晩中色々と語り合った。
リドランの将来の夢の話が中心だった。
そして夜が明けた時、リドランの口はもう二度と開く事が無かった。
手当ての甲斐無く、命の火が消えたのである。
ダウドは天に向かって吼えるように号泣した。
 
 
(リドラン…俺はお前を助けられなかった。ごめんなリドラン…!)
 
 
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