徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その21

第7章依頼その2「訪問者」 85ターンクリア

 

 

 

出撃要員:シルウィス・ラレンティア・ルヴィ・アーサー・イゼルナ・サフィア・

セネ・イストバル・エルバート・レオン・アデル

 

 

 

【備考】

7章依頼後にアーサークラスチェンジ。

 

 

【メモ】マップ中央にシルウィス・イゼルナ・セネ・エルバート・レオン・アデル

を配置。

残りの面子はマップ上に。

一番下の通路に進軍するため、エルバートを急ぎ向かわせる。

7ターン目にハズリズ撃破。

85ターン目にダラス捕縛。

計15名捕縛成功。

 

 

 

【オマケ・ミニ小説~第7章依頼その2】

 

 

帝国の捕虜収容所。

通称ゴルゴダの砦。

森の奥深くに存在するその場所では日夜同盟軍の捕虜達が辛い

労働に就き、帝国兵から家畜のような扱いを

受けて苦痛に喘いでいた。

ここに居る捕虜の大半は先の戦い、ジレド要塞での

戦いに敗れ、生きたまま捕まえられた者達である。

そして最後まで部下を逃がそうと殿をつとめ、

同じく捕らえられたエイブス将軍の姿もそこにあった。

 

 

地面を耕す鍬を持ち、夕刻が迫る天を見上げて

エイブスは密かにため息を付く。

同盟軍の英雄であったエイブスに帝国兵達は

特に辛く当たり、老齢の身のエイブスには過酷とも言える程の

労働を課して来た。

じっと黙って苦役に耐えるエイブスの姿は、

かつての部下達に勇気を与えた。

だが最近になってダラスという男が

収容所の看守長になってからは

その冷酷とも言える仕打ちに捕虜達一同は歯を食いしばって

耐えるしかなかった。

エイブスとて内心その男、ダラスの首を掻ききってやりたいとさえ

思うほど憎らしい相手なのだが、虜囚の身であり武器持たぬ己は

何も出来ない事が分かっていた。

そんな中、次の新月の晩にエイブスを

初めとする捕虜達を

帝国本国へ移送する、との知らせが届いた。

帝国へ送られれば処刑をも免れえぬだろう、と

捕虜達の絶望の囁きの中、エイブスは静かに

鍬を振り、一心に地面を耕していた。

その心の内に去来する物…それは「恐れ」であっただろうか。

それとも…。

 

 

 

 

一方その頃、ナルヴィアの街ではひっそりと一人の女性が

道を歩いていた。

黒い魔道士風のローブで体を覆い、フードを目深にかぶって

顔をなるべく見られぬようにしている。

慎重とも言えるその出で立ちは、彼女がボルニア兵であるからだ。

名前も偽名を使って「エリス」と名乗っている。

通称エリスは、ナルヴィアの城下町で道を尋ねながらも

街の活気にいささか驚いていた。

流石は同盟軍の拠点だけある。

街中では子ども達が走り回り、商売人は精を出して商品を

売りさばき、女達はおしゃべりしながら井戸で洗濯をしていた。

エリスが所属するボルニアも大国なのでそうした光景は

見慣れていたが、改めて敵の本拠地である事を実感する。

エリスは、シノン騎士団の拠点がある場所を聞き出すと

足を早めた。

 

天候が変わりぽつりぽつり、と雨が降ってくる。

街はにわかに活気付き、子ども達は家へと慌てて走って戻り

商売人は、屋内に引込み、先ほどまで洗濯していた

女達はやはり騒ぎながら洗濯物を避難させる。

やがて、嵐になる。

ごう、と吹き付ける風と横殴りの雨はエリスの

かぶっていたフードを難なく吹き飛ばす。

そのフードの下にあった風貌はと言うと、

ショートカットに切り揃えられた赤い髪の毛と

意思の強そうな赤い瞳を持つ女性だった。

武人特有の硬質な雰囲気を

醸し出している。

フードをもう一度、深くかぶり直すとエリスは

歩みを早めた。

とある一つの目的の為にエリスはここに来ている。

 

(エイブス将軍…必ずお助けします。)

 

 

 

こんこん、と執務室の外から規則正しいノックの音がする。

ロザリーは「はい、お入りください。」と

返事をして夕刻の訪問者を快く迎えるのだった。

エリスは嵐のせいで泥にまみれたブーツで、豪奢な絨毯の上

を進むと毛織の絨毯は少し汚れてしまった。

ロゼリーはそれを気にしてか少し顔をしかめる。

 

「こちらに居ると伺いました、リース公子に

お会いして是非話したいことがあるのですが。」

 

エリスは、ロゼリーの曇ってしまった表情に気がつくことなく

熱心な様子で訪問の訳を話す。

 

「今呼んでまいりますので暫しお待ちくださいね。」

 

ぱたぱた、とロゼリーが奥の部屋へと引っ込む。

 

(リース公子、どんな方だろうか。

清廉潔白な武人と聞いているけど、

私の話を聞いてくれるだろうか。)

 

いささかの不安があったが、リース以外に頼めるような

依頼では無い。

新月の晩に、移送予定のエイブス将軍を含む捕虜達を

助け出して欲しいなどと。

エリスは、リースが執務室へとやってくるまでの間

かなり緊張して待っていた。

やがてロゼリーと共にリースがやってくる。

 

「やあ、遠いところから来たらしいが…

お疲れ様だ。話を聞こう。」

 

リースは、目の前の女性エリスに対して

気さくにそう言った。

その表情や威厳は、エリスに「この人になら任せられる」

と安堵を与えたのだった。

そして会議が始まった。

 

 

 

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