徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ファイアーエムブレムif 二次創作小説・暗夜王国編Part3.

ファイアーエムブレムif 二次創作小説・暗夜王国編Part3.

『第9章・再びの試練Another』Part3.

 

「でも、だからと言って貴方一人をここに残しておくわけにもいきません!」

「もう、しつこい子ね。でも、その真っ直ぐな瞳は嫌いじゃないわ。
私に手を差し伸べるお節介なお嬢ちゃんがどれ程の物なのか興味が湧いたわ。
そのお節介、何時まで続くのかしらね。と言う訳で」

 

よろしく、とニュクスは小さくて白い右手をカムイへと差し出した。
それを握り、よろしくお願いします。とカムイも言葉を紡ぐ。

 

とその時、エリーゼがカムイの耳元に唇を近づけるようにして
接近して来る。こそこそ、と耳打ちをして話す事は、

 

『あのね、お姉ちゃん。……呪いで色々考えてみたんだけど
呪術と言えば誰か思い浮かばないかなっ!』

「……?」

きょとんとしていると、続けて耳元でエリーゼが呟く。

 

『お父様の側近のマクベスがね、呪いをかけた犯人じゃないかな!

ってあたしは思うの』

「あっ!」

慌ててカムイはエリーゼを諭す。殆ど2人の間でしか聞こえないぐらいの小声で。

『可能性はあってもマクベスさんが呪術を行った確証はありません。

そう言う言葉は控えて下さいね。エリーゼさん』

「はぁい」

そのままエリーゼは、離れて行ってそれ以上の話はしなかった。

 

カムイも気を取り直して、
最初の作戦通り側面の壁を壊して砦内に突入する事を告げると
軍の皆を連れて移動して行く。

ハロルドが斧でがっつりと壁を切り崩し、オーディンとニュクスが
魔法で更に削り取って行く。
やがて、人が数人分通れる穴が穿たれれば、中へと入り戦いが始まるのだ。

 

一方その頃、暗夜王国の一室では呪い返しの術をニュクスに施され
自分のかけた呪いにかかってしまったマクベスがしきりに
悪寒に苛まれ顔面蒼白でブルブルと体を震わせて居た。

 

人を呪わば穴二つ、とも言うがその通りになった
マクベスはしきりにブツクサと
文句を言いながら解呪の魔法を施す為に

魔法陣のかかれた別室へと移動して行く。

 

「全く、カムイ王女が任務を遂行出来ないようにしてやったのに、
ヴァーックショイ!何処のどなたが呪い返しを!」

 

その時、マクベスはカムイの軍の中に一人のダークマージの青年が居た事を
思い出す。彼は確かレオン王子の部下、自らを漆黒のオーディンと名乗る
奇妙奇天烈な言動をする若者だった筈だ。奴が気づいてやったに違いない!
仮に無事に戻ってきたら見ておきなさい、と悪態をつく。

その頃、戦いの最中でありながらオーディンは、盛大なクシャミをして
して居た。

 

後程分かった事と言えば、黒竜砦には白夜王国の民人の反感により
軟禁されたアクアが居り、無事にカムイは彼女を助け再会を

喜び合ったと言う事だ。

 

<終わり>