徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その32

第10章依頼 「見果てぬ夢」 62ターンクリア
 
 
出撃要員:ペルスヴェル・エニード・アイギナ・クレイマー・
ファラミア・イゼルナ・ラレンティア・シルウィス・セネ
 
 
【攻略メモ】62ターン目にトール撃破
 
 
【オマケ・ミニ小説~10章依頼】
 
冬。
手足かじかむ極寒の季節。
ナルヴィアにも例外無く冬が訪れていた。
だがここは、冬とは無縁の砂漠の地。
ぎらぎらと照りつける日差しはただ、
ひたすらに熱く、髪を焦がす。
この砂漠に眠るは幾多の財宝。
阻むは野生のドラゴン。
そして凶悪な砂の部族達。
シノン騎士団は、ある宝物の探索を
目的にこの地に来ていた。
セネは、大きくバツと書かれた砂漠の
地図のある一点を指差す。
 
「ほら。ここに伝説の剣はあるらしいよ?」
 
軽い調子でそう言うものの、その地まではひたすら遠く。
依頼人であるバースから受け取ったその地図は、手垢で汚れ
ところどころ淵(ふち)が欠けていた。
おそらくは、人の手をずっと渡ってきたのだろう。
ずっと長い間手付かずで宝物が残っているのは
非常にレアなケースだと言う。
 
ある者はドラゴンに挑み、敗北した。
またある者は砂の部族の魔の手にかかった。
だが、シノン騎士団の面々は数々の戦いをくぐり抜けけてきた猛者だ。
怯まず、戦う覚悟はできている。
 
「あっ、ドラゴンがいるよ。まっすぐこちらへ向かってくる!」
 
セネは天を見上げてドラゴンの動きを見ていた。
その様子を部隊に告げる。
観察していると、何処か奇妙な点がある。
ドラゴンは、まるで調教でもされたかのように
規則的な動きをしていた。
うろうろと周囲を彷徨わずに、こちらにやってくる様を見て
シノン騎士団は整然と戦いの準備をする。
魔法を使える者は前に出て、そして弓矢を扱う者は後方で
射撃待機をするのだ。
プリーストであり、軍の癒し手であるイゼルナも
ホーリーの魔導球を携えて前に出ていた。
 
 
「イゼルナさん、あまり無理はしないでね。」
「有難う、セネ。貴女こそ後方に下がっていて。」
 
セネはイゼルナに声をかけると、その言葉にこくりと一つ頷いて
近くの潅木が生える地にひっそりと身を隠した。
そして騎士団と風のドラゴンとの戦いが始まった。
ゴォオオ、という凄まじい轟音と共に風のドラゴンのブレスが
飛んでくる。
しかしそれに先んじて魔力の篭った雷神の矢が宙を飛び
ドラゴンの鱗を削っていく。
 
「今よ、行きます!!」
 
アイギナとエニードが同時に叫び魔法を浴びせかける。
アイギナの放つ炎の魔法と、エニードの雷の魔法が
赤と黄色のグラデーションを見せながら
ドラゴンに吸い込まれていく。
 
「ブレン…サンダーーー!!!」
 
トドメとばかりに、ペルスヴェルが強烈な
雷の魔法を唱え終わった。
ピカッという光とほぼ同時に雷撃が天を走る。
その雷は2つの線となりドラゴンを直撃した。
 
「グュウウウーーーーーー!!!」
 
獣じみた咆哮と共にドラゴンが
砂漠の地面に向かって失墜して行く。
その大きさは軽く見積もっても大人の
人間5人分くらいのサイズだ。
その大きさの物体が地面に落ちるのだから
巻き込まれないように
気をつけてシノン騎士団は一時散開する。
 
「やったな!」
「ああ、やった。」
 
満足げな声を掛け合い、快哉を叫ぶ。
 
 
その頃、砂漠のある地点ではドラゴンテイマーを名乗る老人が
一人額に汗を浮かべていた。
 
「わしのドラゴンが倒された…だと!?有り得ぬわ。
相手は多勢…うぅむ…。他のドラゴン達を呼び寄せて一気に
片付けるか…だが、その為にはわしの力も
全て出し切らねばならぬ…。」
 
何故か姿は見えず、老人のいる場所から
呟きだけが聞こえてくる。
老人が、使用しているのは「消失の魔石」と
呼ばれる魔力のこもった石だ。
その名前の通り、一時的に使用者の姿を
消してくれるという便利な道具である。
 
「行け、ドラゴンよ。かの剣を狙う不埒者を一掃せよ。」
 
目を閉じ、遠方のドラゴンに語りかけ、代々
伝わる操竜の術を使うドラゴンテイマー。
彼もまた、この地に眠るという剣を探しに来ていた。
ドラゴンテイマーの老人は、もう一つ重要な情報を持っている。
 
それは剣を守るガーディアンと呼ばれる魔物が存在する事、だ。
そのガーディアンは黄金色に輝く鱗を持つ巨大な飛竜だと言う。
今はその気配が微塵も感じられないと言う事はまだ剣は
抜かれて居ないという事。
侵入者より先に剣を見つけ出しても、ガーディアンと
戦うには多大な犠牲を
払うことになるだろう。
だがドラゴンテイマーにとって配下の砂の部族は
ただの手駒、手足にしか過ぎない。
手駒がいくら死のうが、関係無い。
それは操っているドラゴン達にも言えることだった。
他者の存在を全て駒と考える尊大な老人は、精神を
集中してドラゴンに語りかける。
目の前にある者を壊せ、殺せと。
 
ドラゴンは、天を悠々と飛び眼下に人間を見つけると
ブレスを浴びせ鋭い牙と爪で肉をえぐる。
それが砂の部族であろうと、はたまた敵であるシノン騎士団
であろうと最早ドラゴン達には
関係無かった。
興奮で猛り狂った竜達は見境い無しに暴れる。
その様を冷静に見て、一匹ずつ着実に倒していく
シノン騎士団であった。
 
砂漠に眠る宝の在り処まで後一歩…
着実に前進していく。
果たしてどのような宝剣が眠るのか、
それは見果てぬ夢。
砂漠での戦いはまだまだ続く。
 
 
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