徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その12

第4章依頼 「カラーコード」 89ターン目でクリア
 
 
 
出撃要員:シロック・イゼルナ・セネ・イストバル・
アーサー・ルヴィ・ラレンティア
 
 
【備考】
軍馬取引所にて、「イシス駿馬」を10000で確認。
この馬も今回初めて見る。
4章依頼後にイゼルナがプリーストにクラスチェンジ。
 
 
 
 
【攻略メモ】
暗闇の中を索敵していくマップ。
風魔のかけらを持つ盗賊を逃してはならない。
ラレンティアやセネのスキルで敵の姿をあぶり出しながら
進んでいく。
灯台の敵を倒すと西に停泊している船から海賊の増援出現。
89ターン目にボスのぺネロ撃破。マップクリア。
 
 
 
【オマケ・ミニ小説~4章依頼その2
 
 
 
ぺネロという男は吟遊詩人崩れだった。
若い頃はそれなりに、音楽の道に真面目に
とり組んだものだったが
今は見る影も無く、ならず者として
海賊達に協力して日々街の住民から
不当な搾取をしている。
ぺネロの趣味は「魔力のこもった武器」を集める事。
今も海賊達が占拠したサモアの町で
「リターンダガー」と呼ばれる
魔法の投げナイフを磨きながら先日入手した魔法武具を
眺めていた。
その中でも一際輝いて見えるアイテム…
それは一つの竪琴だった。
 
「ふふ、これは良いものだ。」
 
リターンダガーを側の机に置くとぺネロは
竪琴を手に取り、恍惚の表情でその弦を爪弾く。
ぽろん、ぽろん…と美しく鳴り響くその音楽は
思わず部屋の外の見張り番の海賊が
聞きほれてしまうくらいだった。
 
「確かスリープライアーといったな。
素晴らしい。心地よい音色だ。」
 
そこへ扉を開けて入ってきたならず者風体の海賊の頭
が一人。
 
「おい、ぺネロ。傭兵団だか騎士団だが知らんがこの港街に
侵入者が来たぞ。奴らは俺達を追い出そうとしているらしい。
何とかしろ。」
「ザイアス、今は演奏中なんだ。静かにしてくれ。」
「竪琴なんてセンチな代物は、戦いの役になんてたたねぇぜ。
それともなんだ?お前はその竪琴で敵を撲殺するのか?」
 
 
頭であり友であるザイアスの言葉にぺネロは静かに
竪琴を持ち直すと、不敵な表情で言い放った。
 
 
「これがセンチだって?役に立つか立たないかは
その目で確かめるんだな!」
 
そう言うと、ぽろろん…と怪しげな旋律を奏で始めた。
 
「…で、それがどうした?」
「ふん、鈍い奴だな。部屋の外を見ろ。」
「ん?」
 
ザイアスが扉を開けて外を見ると見張りをしていた仲間が壁に
もたれ掛るようにして熟睡していた。
 
「竪琴の魔力か?これで…勝てるな!」
「そう、このスリープライアーは聞く者を死の眠りに誘う。
これさえあれば!」
 
自慢そうに言うペネロを前にザイアスは意気揚々と部屋の外に
飛び出していった。
 
残されたペネロは、竪琴を机の上に戻すとじっと目を閉じ
建物の外の音に耳を澄ます。
 
 
(聞こえてくる。敵の足音が…!俺の耳はどんな旋律でも聞き逃さない。
近づいて来い。この竪琴で全員眠らせてやるぜ!)
 
 
 
 
一方、海賊討伐隊に志願したシロックは暗闇の中で
見えぬ敵に対峙して神経をすり減らしていた。
この任につく前に、リース公子の副官であるウォードから
言われていた事を思い出す。
 
「夜の街では、遮蔽物が多く見晴らしが悪いため、
長弓を武器とするお主では不利だ。」
 
…そのとおりである。
弓兵の弱点は、懐に潜り込まれたら反撃の術が無い事だ。
夜目が効かない自分にとっては、暗闇から
押し寄せて来て気がつけば
すぐ至近距離まで迫ってくる海賊は厄介な相手だった。
 
だが、シロックには酒場で依頼されたオルフェリアの
竪琴を持って帰るという使命がある。
竪琴はおそらく海賊達のアジトにあると思われる。
偵察に行っていた竜騎士のラレンティアの報告では、
海賊達のうちの一人に、竪琴を使って兵士を
眠らせる奇妙な男が居るという話だった。
 
 
「へっ、おいでなすったな。そら、この音色で眠りにつけ。」
 
ペネロは得意げにスリープライアーをかき鳴らすと
騎士団の一員と思わしき兵士を眠らせ無力化させる。
眠り込んだ兵士にリターンダガーで首を切って止めを刺そうと
近づいた。
 
ふとその足がぴたり止まる。
 
(誰か来る…しかもたったひとりで。…これは馬のヒヅメの音だ。
馬鹿な奴だ。むざむざ餌食になりにきたか!)
 
ペネロはそちらの方に意識を向けるとにや、と笑ってみせた。
リターンダガーを仕舞うと、竪琴に持ち替える。
そこへ馬に乗った金髪の弓兵らしき青年が現れた。
 
 
「それはスリープライアーだな?返してもらう。」
 
何故かその青年はこの竪琴の正式名称を知っていた。
 
「取り返しに来やがったか。それならこの効能も知っているだろう?」
 
 
ぽろろん、と竪琴を鳴らすと猛烈な眠気が馬上の
青年、シロックに襲いかかる。
シロックは護身用として持っていたダガーを
足の太ももに軽く刺す。
じくり、とした痛みが頭をはっきりさせる。
傷から血がじわじわと流れるのもお構いなしに弓に矢をつがえて
ペネロの方へ向かって構える。
 
(狙うは…赤弦(カラーコード)だ。
オルフェリアは言っていた。あの赤弦こそが
魔力の源だと。)
 
 
ひゅん、と風を切って矢が飛ぶ。
渾身の力と集中力でもって放った
その矢は狙い違わず赤弦に吸い込まれていく。
ぷつん…と軽い音がして弦が一本切れた。
 
(当たった、当たったぞ!)
 
快哉を叫ぶシロックは油断なく2射目を
放とうと矢筒から矢を取り出す。
一方のペネロは慌てていた。
 
「なんだと。赤弦だけを狙いやがった!?
畜生これじゃ使いもんにならねぇ。」
 
竪琴を乱暴にごとりと側に置くと頭に血が
のぼったペネロは懐から
リターンダガーを取り出し
シロックの方へ向かって投げる。
それを察してか、シロックは馬ごと後ろへ下がった。
後方に居る仲間に大声で知らせる。
 
 
 
「竪琴は封じた。今が攻撃のチャンスだ!」
「おおっ!」
 
 
 
シノン騎士団の面々は、じわじわとペネロを取り囲み
包囲網を縮めていく。
ペネロはだらりと冷や汗を流して皮肉げに呟いた。
 
 
 
「俺の死に場所は…ここか。ふっ、聞こえるぜ。死神の足音が…。」
 
 
 
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