徒然の都

ベルウィックサーガ、ファイアーエムブレム聖戦の系譜&if、過去のSS置き場。

ベルウィックサーガ・4週目攻略メモ その23

第8章任務「木馬兵団」 23ターン目にクリア

 

 

 

【飯】→仔牛のソテー→ダウド・エルバート。

兎のオレンジ煮→アーサー・セネ・シルウィス。

 

 

 

出撃要員:リース+ウォード・シェルパ・ダウド・アーサー・

ルヴィ・レオン・アデル・イゼルナ・ラレンティア・シルウィス・セネ

 

 

 

【備考】任務前にエニードがマージナイトにクラスチェンジ。

8章任務後にルヴィがパラディンにクラスチェンジ。

 

家具→鹿の置き物購入。

 

 

【メモ】総員24ターン内に離脱せよ。

足の遅いバリスタを護衛しながらの脱出劇。

シェルパの固有イベントあり。

 

 

 

 

【オマケ小説・~8章任務】

 

 

「今日も遊びに来てやったぞ。」

 

明るい調子でそう言うのは、緑の髪を後ろで

束ねた一人の軽そうな男だ。

やってきたのは、ナルヴィア城下町に居を構える

マルクーゼ工房である。

マルクーゼ工房では戦争で使われるバリスタ兵器を

設計・開発していた。

主な技師はクランプ=マルクーゼの妹のビアンカだ。

父母を早くに亡くした兄妹は肩を寄せ合って

懸命に工房を切り盛りしていた。

 

 

「夕食をたかりに来たのか。」

 

時刻は丁度夕食時。

ビアンカが、目を釣り上げてその来訪者、

バロウズに辛辣な言葉を投げかける。

 

「ははは、そうとも言う。何しろビアンカの手料理は

とても美味いからな!」

 

世辞なのか冗談なのか判別がつかないが、ともかく

相手を褒めながらバロウズは「勝手知ったる他人の家」

という風情でテーブルの側にある椅子に

どかりと座る。

 

その様子を微笑ましく見つめながら、

クランプは作業をしていた手を止めて

時計を見ると、

 

 

「そろそろ休憩時間だな。まあ、ビアンカ。

そう言うな。夕食を一緒にできるのは楽しいことだ。

バロウズ、今夜はゆっくり飯を食べていってくれ。」

「流石、クランプ。話が分かるじゃねーか。」

 

 

にやりと笑みを浮かべて

バロウズは調子良くそう言った。

 

 

「兄貴がそうやって甘やかすから、こいつはつけあがるんだ。」

 

 

文句を言いつつも、

台所へ向かい作ってあった

カレーライスを皿によそおうビアンカであった。

 

 

 

「という訳でな、今度レマゲン近くのカンネ村に

配属される事になった。

暫く戻ってこれないかもしれない。」

 

 

カレーライスの皿にスプーンを突っ込んで掬いつつ

何気ない調子でバロウズは告げる。

 

 

「レマゲン砦近郊は今、戦いが激化している場所らしいじゃないか。

大丈夫か?バロウズ。」

 

同じくスプーンで掬ったカレーを口元へ運びながら

クランプは心底心配そうに親友を見やった。

 

「ん、楽勝も楽勝。この俺の力とバリスタがあれば

帝国兵の一部隊や二部隊、華麗に殲滅してみせるさ。」

 

ハハハと笑いつつ大言壮語を放つバロウズであった。

 

「そっか、お前カンネに行くのか。」

「どうしたビアンカ?」

「…いや何でもないよ。」

 

 

ビアンカは、遠く離れた地カンネに居る友達の事を思った。

カンネには帝国の大部隊が迫りつつあると言う情報は

ナルヴィア中に広まっている。

無事だといいんだけど…と密かにため息をつく。

 

 

 

 

その夜、ビアンカは夢を見た。

幼かった頃の夢だ。

 

 

「私のお父ちゃんとお母ちゃん、病気で死んじゃいそうなの…。」

 

夢の中で小さいビアンカは泣いていた。

すぐ側には何故か緑の髪の少年が。

少年バロウズは、幼い少女を元気づけようと必死だ。

 

 

「今度花を摘んで持ってきてやるからな!泣くなよ。」

「花なんて要らないよ。」

 

ぐすぐす、と目から溢れる涙を拭くビアンカ。

 

「じゃあ、何がいいんだよ。お菓子か?」

 

「あのね、私…。」

「うん。」

 

「お父ちゃんの設計してたバリスタを完成させたい。」

 

 

 

ぱっとそこで目が覚める。

どうやら浅い眠りの中でまどろんでいたらしい。

 

 

(そうだよ、私の夢は今も昔も…お父ちゃんの

果たせなかった夢を果たすこと。)

 

 

 

そして夢の中で何故悪友のバロウズが出てきたのか訝しむ。

 

 

(なんであいつが夢の中にまで…!)

 

 

一人慌てるビアンカであった。

 

 

 

次の朝早くに、バロウズが所属するバリスタ小隊は

ナルヴィアを出発していった。

そんなバロウズを遠くから見送るクランプは

心の中で友の無事を祈る。

 

(必ず…必ず生きて戻れよ。)

 

 

暫しの間、軍隊が行き過ぎていく様子に目を向けていた

クランプだがやがて、その姿が遠くなるのを

確認するとマルクーゼ工房へと戻っていった。

工房ではビアンカが笑顔で彼を迎える。

 

 

「兄貴、おかえり。

さあ、今日も張り切って仕事するよっ!」

 

 

その溌剌とした笑顔は見る者に

元気を与えてくれる。

その笑顔を見て、クランプも静かに微笑み返すと

 

 

「ああ、頑張ろう。」

「うん!」

 

 

 

~終~ NEXT 老兵は…